
次世代テレビの「本命」として有機ELディスプレーの開発をしていたソニーとパナソニックが、ともに有機EL事業から撤退する方針を固めた。大型化に伴う製造コストの引き下げなどが難航したためだ。有機ELの大型テレビ開発から日本勢が事実上、姿を消す。韓国メーカーが開発してはいるが、割高で市場は伸びていない。 ソニー、パナソニックとも、官民ファンド「産業革新機構」が出資するジャパンディスプレイ(JDI)にそれぞれの有機EL事業を売却する方向で調整している。ともに6月中にも基本合意する見通しだ。JDIはタブレットやスマートフォンなどに使う中小型画面に絞って開発を進める。 両社とも、不振のテレビ事業を立て直すには、課題の多い有機ELに投資を続けるよりも、高精細の「4Kテレビ」など液晶テレビの開発に集中する方がよいとの結論に達した。
世界のテレビ市場で約8%のシェア(市場占有率)を持つパナソニックが、テレビ事業を大幅に縮小することは、ソニーやシャープなど他のテレビ大手の戦略にも大きな影響を与え、国内大手が上位に顔を出していた世界の勢力図が塗り替えられることになりそうだ。 パナソニックのテレビ事業の現状を、首脳の一人は、「瀕死(ひんし)の重傷」と表現した。 1952年に生産を始めて以来、約60年にわたって経営の屋台骨を支えてきた。 だが、販売台数では新興国向けの需要拡大は今後も期待できるが、日本での地デジ完全移行の特需が終了するなど、先行きは暗い。販売価格でも、韓国勢などとの価格競争にさらされ、最近は1年間で3割も値下がりした。テレビ事業縮小に伴う人員削減は、テレビ事業などの社内分社「AVCネットワークス社」などが対象となる。 他の日本メーカーも、テレビ事業の苦戦が続く。 世界のテレビ市場で日本勢の合計シェアは、2005
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