前回、「小説家になろう」に投稿された新着2000作品のタイトル分析を行った。やったからといって特別なにか新しいことがわかった訳ではないのだけれど、「精読(close reading)」の対義語である「遠読(distant reading)」は何かの役に立ちそうではある。ということで、別のものを「遠読」してみることにした。 とはいえ、ぼくとしても時間や手間がかかるようなことはしたくない。なのでネット上でデータベース化されたものを対象にしたいと周りをみるとちょうどいいのがあった。みんな大好き、「芥川賞」である。 「日本で一番有名な文学賞」である芥川賞のウォッチャーならば、上記サイトを知らないひとはおそらくいないだろう。2020年5月現在、第二次世界大戦時の中断を挟んでこれまでに162回行われてきたこの文学賞の選評がこのサイトではデータベース化されている。そこで今回、ここにある選評(の抜粋)をス