夜。いつものようにブラウザを開く。もはやルーチンワークと化したその行為が果たして人生にとってのプラスになっているのか既にわからなくなりつつある。しかし、何もしないことが言い知れぬ不安を煽ることは事実である。タバコをやめられないのと同質の感覚はきっと脳内麻薬の分泌を促す何かが有るからなのだろう。 そんなことを考えながら俺はLDRにかき集められた数千のfeedを光速で処理する。此処だけ時間の感覚が変わっている。一流のスポーツ選手が時間の流れを遅く感じるように、限界まで高まったブラウザに流れていくスピードも俺にとっては静止画に過ぎない。 「ムラ」そのキーワードにはずいぶん前から気付いていた。しかし、あまたのサイトを巡回しているからなのかもしれないが、特定のブログに固有の空気などないに等しいと感じる。幻想の「ムラ」。人の何かに帰属しないといけないことを象徴している、単なる言い訳としての存在。 そう