世界屈指の最高級ワインの産地・フランス東部ブルゴーニュ地方で300年近く続くワイナリーの当主、エティエンヌ・ド・モンティーユさん(57)。この地でワインをつくることを決め、ブドウの植樹式を迎えていた。フランスの老舗ワイナリーが函館の地を選んだ背景には、忍び寄る「地球温暖化」の影があった。 外国資本のワイナリーが日本に進出するのは初めてのことだ。植樹式には北海道や函館市の職員ら約200人が参加していた。あいさつに立ったモンティーユさんは、興奮した面持ちで語った。 「ブルゴーニュのノウハウと、この土地を知る日本の人々が力を合わせて世界に通用する素晴らしいワインをつくりたい」 ブドウ畑は東京ドーム8個分にあたる約37ヘクタールを確保した。1年目は2.5ヘクタールに赤ワイン用の「ピノ・ノワール」と白ワイン用の「シャルドネ」の苗木を植えた。毎年3ヘクタールずつ作付面積を増やし、初収穫は23年、ワイン