通常、書籍の売れ行きは大都市圏に偏りがちだが、本書は地方からの注文も多いのだとか。「武士道」を書いた新渡戸稲造との交流の様子も書かれており、100年前に生きた偉人の人柄をうかがい知ることができる。価格は1680円(画像クリックで拡大) 梅雨の前には、村で協力しあって井戸の掃除。お盆には送り火をたいてナスとキュウリの牛馬を備え、学校の帰り道ではイナゴを捕まえておかずにする……。そんな、古き農村の暮らしに生きる少女を描いた物語『一〇〇年前の女の子』が、今人気を集めている。 著者の船曳由美さんが、自身の母であり、2009年に100歳を迎えた船曳テイ(旧姓:寺崎テイ)さんの思い出話をもとに書いた本だ。かつて全国各地の伝統行事を取材し、現在もフリーの編集者である著者ならではの農村の詳細な生活描写は、当時の生活を伺う資料として興味深く読むことができる。信仰と生活が地続きになった、「古き良き日本」を感じ