経験則の落とし穴 2008年3月 4日 コメント: トラックバック (0) 経済学は経験科学です。したがってその論理の出発点はいつでも経験的な、データに基づいた[*]モノである必要があります。帰納的な抽出を基礎とするには、前回のように論理の出発点となる前提をデータから導くという方法が直接的でしょう。しかし、現代の経済学を支える前提のなかには、データでの検証が困難なもの、そもそも数量的にはどういう意味なのかがわからないものがあります。 ここで必要になるのが、「データによる思考方法」の逆転です。論理の出発点をデータから定めるのではなく、論理が導く帰結……特にデータによって理論が現実を説明していることを確かめた方が楽じゃありませんか? この見解に従うと、例えばマクロ経済学ならば、財政政策や金融政策の効果についてもっとも「高い説明力を持つ」ものが正しい論理ということになります。1950年代から1