「五分後の世界」を読んだ際、気になるせりふがあった。 それと、言わせていただくとか説明させていただくとかいったい誰が使い始めたんだ、そういう妙な日本語は禁止せよ、貴様は誰かに許可を得たり誰かに依頼されて話しているのか? 自分の意志と責任で話しているのだろう? 言います、説明します、で充分ではないか (p.204) その流れで、日本語について書かれた本を読んだので、思ったことを書いてみる。読んだ本はかなり気がかりな日本語 (集英社新書)。文章が柔らかいので、堅苦しくならず、気軽に読むことができる。また、単に「日本語の乱れ」を嘆くだけの本に終わっていないところもよい。 本書によれば、21世紀に入ってすぐに「日本語ブーム」なるものが起こり、日本語本が何冊も出版され、ベストセラーになった本もあるというのに、日本人の日本語がマシになっている様子が見られない、とのことだ。 扱われている内容は、文法に始