今年の日本進化学会は東大の駒場キャンパスで開かれた.8月に開かれるこの学会は(どこで開かれても)いつも結構暑いのだが,今年は9月下旬並という涼しい気象条件で大変快適である.いつも通り発表者の敬称,及び共同研究者のお名前は原則的に略させていただくこととする. 大会初日 (8月22日 金) 9時ちょうどに駒場に到着,登録手続きを済ませて,早速最初のシンポジウムに参加する.「協力の進化」シンポジウムも面白そうであったが,「ヒトの生活史」の方に参加.オーガナイザーは颯田葉子. シンポジウム「ヒトの生活史」 最初の発表は長谷川眞理子の「ヒトの生活史とヒト固有の性質の進化」 これは大変興味深い内容だった.現在深く考えている仮説の筋道を説明してくれたもので,当然ながら裏付けデータをとるのはこれからだろうと思われるが,非常に面白かった. ヒトとチンパンジーのクリティカルな違いはいろいろあるが,ヒト固有のい
私の家は、シドニーの中心部から、ハーバーブリッジを越えて車で五、六分の所にある。 シドニーの中心部まで車で十分弱である。 こんなに都心に近いのに私の家の周りには結構野生動物がいる。 最近私の家の家族が迷惑をしているのが、ポッサムという動物である。 ポッサムは、小型の猫くらいの大きさで、オーストラリア独特の有袋類で、夜行性の動物である。 有袋類というのは実に不思議な動物で、カンガルーにその特徴が顕著だが、赤ん坊は極めて小さく産んで、それを自分の腹の前の袋に入れて育てる。乳首は腹の袋の中についている。 カンガルーの赤ん坊は生まれたとき、人間の人差し指ほどの大きさしかない。生まれるとすぐに自分で母親の腹によじ登り袋の中に収まる。そのままかなり大きくなるまで母親の腹の袋の中で過ごす。 そのカンガルーの生殖の面白い話を娘に教えて貰った。 カンガルーは、子供を生むと交尾する。卵は受精する。 しかし、腹
ポッサムの話 | 雁屋哲の美味しんぼ日記 こう言う事実を見ると、私はダーウィンの進化論を激しく疑わざるを得ないのである。 「自然淘汰」と「適者生存」は分かる。 しかし、生物の変化がどうして起こるかについての説明がない。 ダーウィンの学説を継ぐ人達は、変化は「突然変異」であり、突然変異によって獲得した形質が環境に適応していれば、その生物は生き延びて、その形質を子孫に遺伝する、と言う。 要するに、変化は、神のような超越的な存在が作った計画に基いた物ではなく、機会的に起こる物だというのだ。 そこには、生物当人の意志は考慮に入れられていない。 この視点は結構重要だと思う。これに対するはてブの反応はおおむね否定的だが、表層的なダーウィン進化論の理解にとどまっている気がする。 生物の変化は、生物自身の願い、欲求、それが反映した物、あるいは何かの意志が働いてのことであって、闇雲にむやみに変化する物では無
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