釈放後、中国河北省石家荘から上海浦東国際空港に到着した佐々木善郎さん(右)ら。中央奥は橋本博貴さん、左奥は井口準一さん=中国上海で2010年9月30日、鈴木玲子撮影 沖縄県・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で逮捕・送検された中国人船長が処分保留のまま釈放されて1週間。30日に建設会社「フジタ」の社員ら4人のうち3人が釈放されるなど、中国側は軟化の動きを見せ始めたが、「対中弱腰外交」「検察への政治介入」批判に菅政権は揺れている。 ◇パイプ細く、情報入らず 「早く釈放できないのか」。国連総会出席のため22日にニューヨークに出発するのを前に菅直人首相は首相官邸スタッフに語った。民主党政権は中国指導部とのパイプが細く、情報が十分に入ってこない。中国側が威圧的な対抗措置を次々と打ち出し、日中の緊張が高まるなか、首相は「何でもたついているんだ」「もっと機敏に対応できないのか」といった態度をあらわにし、「い