そば屋の屋台は肩に担いで移動することが可能であった。客に声を掛けられたら屋台を置き、その場で調理したそばを提供したという。『職人盡繪詞』 国立国会図書館蔵 そば屋は寛文4年(1644)に初めての店ができ、以来あれよあれよという間に増殖し、一説によると文政年間(1818~1830)には3000軒になったといわれている。江戸は俗に八百八町(はっぴゃくやちょう)といわれているので1町に1軒はあったことになる。これ以外にも屋台で商うこともあったので、ちょっと小腹がすき何か腹に入れたという時などすぐに食べることができた。また、温かいメニューは冬場に体が温まるからと注文する人もいたという。 現在でも大きな駅の構内や駅前などにもあるので、朝や移動中など時間がない時に利用する人もいるだろう。近年になってラーメン屋に抜かれるまで、江戸時代からずっと日本でもっとも多い飲食店はそば屋であったという。 もっとも