美しき片田舎のロケ地、そしてバルで供された美味しいお酒のエピソード 文/写真:谷口 潤 06.04.2015 アート系の映画の代表格である「ミツバチのささやき」と「エル・スール」。舞台となったスペインの片田舎の旅を振り返った。美しきロケ地と、バルで供された美味しいお酒のエピソードを紹介する。 昨年11月、映画配給会社のフランス映画社が倒産してしまった。本当にすばらしい海外の映画を日本に紹介してくれた会社だったので、惜しくてならない。 彼らが配給した映画は、以前カンパネラ上で取り上げた「ベルリン天使の詩」をはじめ名作ぞろいだが、その中でも私にとって忘れ得ぬ作品が、スペイン出身の映画監督兼脚本家、ビクトル・エリセ監督の2作「ミツバチのささやき」(1973年)と「エル・スール」(1982年)である。 映画評論家の故・淀川長治さんも「この映画は詩であるから何度とりだして見つめても聞きいっても飽きる