『夜がきた』と書いてはいけない(花村萬月公式ホームページ ブビヲの部屋) *時期が来るとトップページから削除されてしまうはずなので、かなりの長文ですが引用します 夜がきた。 と、書くのは説明。べつに文才がなくても、誰にでも書けます。また、誰に対しても意味が通じます。 けれど『夜』という言葉を遣わずに『夜がきた』ということをあらわす──描写するのが、小説家の基本的な仕事です。 強く意識してください。説明は誰にでもできます。小説家を志すあなたが成し遂げなくてはならないのは、描写です。描写、描写と口を酸っぱくして言ってきた所以です。 以後、『夜がきた』と書くべきときに、『夜』を遣わずに、『夜』を表現してみてください。 たとえば『夜のとばりがおりた』などと書くのは説明としても鬱陶しいし、描写としても紋切臭くて陳腐すぎる。 こうなると説明としてはうざいし、描写としては三流という最悪なことになってしま