book 2014年3月20日 サードプレイス―― コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」 少し前、夜の11時ぐらいに来られたお客さんが「カウンターはないんですか?」と言われ、うちの店は僕らと向かい合う形式のカウンターは撤去しているので「ないんです」とお伝えすると、いくらか逡巡したあと、「今日は人とお話がしたかったので」と言って帰られた。僕はその逡巡の時間と、そのあとに彼がくだした決定(それは少し気まずいものであったはずだ)を心底肯定したいと思って、いいと思います、そういうのすごく賛成です、今自分にとってもっとも必要な時間を過ごすべきだと思います、それに妥協や遠慮は要らないはずだと思うんです、と思って少し感動したあと、人はこんなふうにコミュニケーションを渇望するものなのだなと、何か身につまされるような気になった。 僕自身は、よく知らない人とコミュニケーションを取るハードルがすごく