シリーズ:これからの美術館を考える(2)指定管理者制度から探る「サヴァイヴィング・ミュージアム」への道5月下旬に政府案として報道された「リーディング・ミュージアム(先進美術館)」構想を発端に、いま、美術館のあり方をめぐる議論が活発化している。そこで美術手帖では、「これからの日本の美術館はどうあるべきか?」をテーマに、様々な視点から美術館の可能性を探る。第2回は長年、川崎市市民ミュージアムで学芸員を務めてきたインディペンデント・キュレーター、クリティックの深川雅文。 文=深川雅文 「ミュージアム氷河期」の到来 21世紀初頭から2020年までの20年間の日本の文化状況を、後世の人々はどのような目で見るのであろうか? 2001年、芸術文化基本法が制定され、日本は文化国家としての新たな姿勢を示したかに見えたが、他方で、文化芸術の基盤を根底から揺るがす危険性も孕んだ制度の変更も進行した。その震源のひ