LGBTQなど性的少数者の理解を進めようと自民党案をベースに与野党合意した「LGBT理解増進法案」は2021年、自民の一部保守派の反発で、国会提出が見送られた。あれから2年弱。岸田文雄首相の元秘書官の差別発言をきっかけに、性的少数者に対する政治の対応が通常国会の焦点に浮上している。当時、自民側の交渉役を担った稲田朋美衆院議員は直後の衆院選で落選運動にも遭った。今、何を思うのか、話を聞いた。【竹内望】 ――LGBTQなど性的少数者を巡る問題に取り組むきっかけは? ◆息子から当事者の友人の話を聞き、私が「どんな子なの」と聞いたら、「(生まれつきの性別と性自認が異なる)トランスジェンダーの男性なんだけど、すごく男らしい良いやつだ」と教えてくれました。若者の間では全然おかしいことでもなく、受け入れられている。その権利は守らなきゃいけないと思いました。 また、私が15年に自民党政調会長として訪米した