昨年10月から7回にわたって連載を進めた「シアワセのものさし」。魔法の腕を持つ高知県在住のデザイナー、梅原真の生き様を通して、地域再生の哲学や地場ブランドの作り方、根本となるアイデンティティの重要性などを見てきた。 連載を見てもわかるとおり、梅原の手によって魅力的な商品を手に入れた地域は少なくない。ただ、それ以上に、梅原は多くの人の心に種を植えた。事実、彼の生き方に感化され、新たな人生を歩み始めた人は数しれない。梅原の遺伝子は数多くの人に継承されているといっていいだろう。 これから3回、梅原によって人生のトビラを開けた人々の“その後”を描く。いわば、「外伝 シアワセのものさし」。外伝ではあるが、登場人物のその後の人生は様々な示唆に富んでいる。1回目は明神水産で「藁焼き鰹たたき」を仕掛けた明神宏幸。その後の人生は波瀾万丈というに相応しい。 梅原とともに「藁焼き鰹たたき」を売り出した明神は持ち