世の中に絶望して、生きることを放棄したくなっている人が、この日本では、あとをたたない。 2020年、日本の自殺者数は11年ぶりに上昇し、前年を上回る2万1081人になった(4.5%増)。男性は前年より23人減ったのに対して、女性は935人も増えて7026人が自ら命を絶った。コロナの影響や、著名人の相次ぐ自殺も原因となっていると見られている。これは、異常事態である。 まだ希望を持つべき人たちが、次々に命を絶っていく。厚生労働省は、「自殺はその多くが追い込まれた末の死だ」と、言い切った。 私は普段から、精神科で看護師として働いていた経験と、自分自身が自殺未遂をした当事者であるという目線から、自殺防止の啓発活動を行なっている。今回の企画では、この「自殺」について、さまざまな視点から掘り下げる。 特殊清掃員である小島美羽さんと対談した前回に続き、今回は「自殺を図ったが死に切れなかった人はどうなるの