先日『ドラゴンクエスト3』のリメイク版が発売された。「勇者が王様に頼まれて魔王を倒す」という現在まで擦られるテンプレを我が国にもたらした、偉大すぎて逆に平凡となった国産RPGの金字塔である。ドラクエ3を知らない人はいても、ドラクエ3に影響されたコンテンツを知らない日本人はいない。 かくいう僕も幼少期にファミコン版ドラクエ3をやっていた。現実世界の「ポルトガル」を知る前に「ポルトガ」の王と会い、芥川龍之介を読む前にカンダタと戦い、日本神話を知る前にヤマタノオロチを討伐し、さまざまな基礎教養を予習していった。 しかし後述する事情によって、僕はラスボス戦を迎えることなく「ドラクエ3をクリア」してしまう。今回はその思い出について話したい。「ゲームでつまづいた子供はその後どういう人生を歩むのか」という参考事例にしてほしい。 ※本記事は当然ながらドラクエ3のネタバレを含みます。HD-2D版プレイ予定の