(1)秀英初号明朝と写研の秀英明朝(SHM)を比較してみる 2010年9月、私の手元にも「モリサワパスポート アップグレードキット2010」が届きました。今回、大日本スクリーン製造のヒラギノ、こぶりなゴシックなども追加された、かなり強力なバージョンアップとなっています。 中でも最大の目玉は、「秀英初号明朝」でしょう。大日本印刷の前身、「秀英舎」の時代から、築地体と共に明朝体の二大活字といわれ、1980年代には写研から秀英明朝(SHM)として文字盤化された書体です。さっそく、私もインストールして使ってみました。 さて、私は写植オペ時代、活字ではなく写植の「SHM」を多く印字し、なじんできました。 写研から発売された秀英明朝(SHM)の制作裏話に関しては、字游工房『鈴木勉の本』に記述があります。鈴木勉氏はスーボ、スーシャ、ゴーシャなどの写研書体のデザインで名を知られた方で、字游工房の創始者でも