作家といえば印税生活。売れっ子作家はどれくらい儲かっているものなのか。森博嗣さんが書いた『作家の収支』(幻冬舎新書)がおもしろい。初めから終わりまでカネの話ばかりなのだ。しかも徹頭徹尾冷静で、研究論文を読んでいるような気にさせられる。 収入編である第1章の見出しからしてすごい。「文章はいくらで売れるか?」「原稿用紙1枚でいくら?」「時給でいうといくら?」「単行本と文庫の印税率」「翻訳されたらいくらもらえる?」「ブログだけで年収1000万円」など。出版社が焦ってしまいそうなほどあけすけだ。 『すべてがFになる』印税6000万円以上 気になる印税について。代表作『すべてがFになる』は累計78万部。「ノベルスで約1400万円、文庫で約4700万円の印税であり、この1作で、合計6000万円以上をいただいている」(本書より)。ちなみに「60時間ほどが制作時間になる」ため「時給にすると100万円だ」。