LGBT問題に対する寄稿が批判され、休刊が決まった雑誌「新潮45」について、同じ新潮社が発刊する老舗文芸誌「新潮」が最新号で「人間にとって変えられない属性に対する蔑視に満ち、認識不足としか言いようのない差別的表現」と批判した。 10月7日発売の新潮11月号に矢野優編集長による編集後記として掲載された。新潮に寄稿する小説家からも「新潮45」を批判する声は多く、雑誌としての見解を示した形だ。

「海燕(かいえん)」「通販生活」「CanCam」「ザテレビジョン」「フロム・エー」。いずれも1980年代初頭に創刊された雑誌である。週刊、月刊、季刊を問わず、あのころ世に出た雑誌には発信力と輝きがあった▼その一つが「新潮45」である。「45歳以上の中高年が読む雑誌」という旗を掲げて82年春、前身の…
性的少数者(LGBTなど)への差別的な表現について批判を受けていた月刊誌「新潮45」が25日、最新号の発売からわずか1週間、また佐藤隆信社長によるコメント発表から4日で休刊に追い込まれた。回収や続刊号での謝罪などを飛び越えた突然の決断の背景には、同社の予想を超えた批判の広がりがある。 出版不況を背景に「右傾化路線」を取る出版物は増加傾向にあり、「新潮45」も反リベラル色を強めてきた。だが、保守系の雑誌だけで経営している出版社と異なり、文芸が中軸の新潮社がマイノリティーを蔑視しているととれる極端な特集を組んだことの波紋は大きかった。経営面への影響も懸念され、同社は迅速な処理をせざるを得なかった。 ノンフィクション作家で同誌に多数の作品を発表してきた石井光太さんは「総合月刊誌が生き残るためには、ある程度偏った固定層の読者を確保する必要がある。そうでなければ、経営的に雑誌自体が立ちゆかない。『新
2017.02.15 16:10 精神論を振りかざし電通の過重労働を擁護、自殺した娘の母をバッシングする評論家の暴力 本サイトを読まれる方が日頃手にすることがないであろうオヤジ雑誌群が、いかに「男のプライド」を増長し続けているかを、その時々の記事から引っ張り出して定点観測していく本連載。 広告代理店・電通の社員だった高橋まつりさんが2015年に過労自殺し、電通が労働基準法違反で書類送検された一件は、まつりさんの母親からの切なる訴えもあり、常態化している残業を中心に労働問題の再考へと繋がっている。母・幸美さんは、昨年12月25日、娘の命日に手記を発表した。「まつりの死によって、世の中が大きく動いています。まつりの死が、日本の働き方を変えることに影響を与えているとしたら、まつりの24年間の生涯が日本を揺るがしたとしたら、それは、まつり自身の力かもしれないと思います」としつつ、「生きて社会に貢献
「新潮45」の特集記事がまたしても炎上している。 事情を知らない読者のために、以下、炎上に至った事情を簡単にまとめておく。 今回の騒動の前段として「新潮45」8月号に、自民党の杉田水脈衆議院議員が寄稿した記事(「生産性のない」LGBTへの優遇が行き過ぎであることや、LGBTへの税金の投入を控えるべきであることなどを訴えた小論、タイトルは「『LGBT』支援の度が過ぎる」)が各方面から批判を浴びた件がある。これについては、7月の時点 で小欄でも記事を書いているので参照してほしい(こちら)。 「新潮45」今月発売号(10月号)が、「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」という「特別企画」を組んで計6本、総ページ数にして37ページ分の擁護記事を掲載した。 この特集記事に各方面から批判が集まった。 新潮社の出版部文芸の公式ツイッターアカウントが、「新潮45」発売日である9月18日の直後から、同編集部へ
自民党総裁選は20日午後開票され、安倍晋三首相(63)が石破茂・元幹事長(61)を破って、連続3選を決めた。任期は2021年9月までの3年間。 総裁選は1人1票の投票権を持つ国会議員票405票と、党員・党友による地方票405票の計810票で争われた。首相は553票(議員票329票、地方票224票)を獲得し、254票(議員票73票、地方票181票)だった石破氏を破った。 国会議員票については、朝日新聞の事前の取材で首相は337票を集めていたのに対し、石破氏は50票にとどまっていた。だが、実際の投票結果では石破氏が20票以上を上乗せし、首相は取材の数字を下回った。 議員票で圧倒的にリードし、首相の3選が確実視される中、焦点になっていたのは地方票だった。首相は地方票でも石破氏に勝利したものの、石破氏の獲得票は、両陣営の事前の予想を上回った。 首相は20日午後6時から記者会見を行う予定だ。
米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐって政府に抵抗を続けた翁長雄志(おながたけし)知事が亡くなったのを受け、9月30日に知事選が投開票されます。ネットでは激しい言葉も飛び交うなか、昨年フジテレビ系で放送されたお笑い番組「THE MANZAI」で沖縄の米軍基地問題のネタを披露し、物議を醸したお笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔さん(37)は、その後もツイッターで沖縄についての発言を続けています。賛否を声高に叫ぶのではなく「自分の耳で聞いて、答えを出したい」という村本さん。「炎上芸人」ともいわれ、批判も絶えませんが、それでも発言を続ける理由とは。 ――なぜ、沖縄と関わるようになったんですか 何年か前まで、沖縄といえば「女の子かわいいな」くらいのイメージ。変わったきっかけは、数年前のテレビ番組です。 僕の地元は福井県おおい町。原子力発電所があります。地元の宿や食堂は、原発のおかげで客が
9月7日告示・20日投開票の日程で行われる自由民主党の総裁選挙は、野田聖子氏の出馬断念により、安倍晋三氏と石破茂氏の一騎打ちとなった。 政党の代表を選ぶ選挙とはいえ、自民党の総裁選となれば、事実上「次の総理」を選ぶ選挙だ。とりわけ、今回の総裁選は、現職の安倍総裁が「次の国会」に党としての憲法改正案を提示したいとの意気込みを示していることもあり、見逃せない。 しかし、すでに安倍陣営の圧勝が伝えられていることもあり、今回の総裁選は今ひとつ盛り上がりに欠けるのも事実。新聞もテレビもかつての総裁選のように大々的に取り扱うことをしない。ここまでワンサイドゲームとなると仕方のないことかもしれないが、ワンサイドゲームであるということは、挑戦者側―つまり、石破茂氏側―には、それ相当の覚悟があるはずである。 その覚悟のほどが知りたい――。 その一心で、総裁選挙に立候補した石破茂氏にインタビューを打診した。
1歳の幼児が、山口県周防大島町で迷子になって3日後、満2歳になってボランティアの男性に無事発見されたのは、久しぶりにニュースを見ていて「よかった」と心底思える出来事だった。行方が知れなくなっている間の、町内放送を使って「よっちゃーん!」と叫ぶ母親の悲痛な呼びかけに胸を締め付けられる思いがした人も多いのではないか。 それ以来「スーパー・ボランティア」と注目を集めるようになった尾畠春夫さんという78歳の元気な方の、勘と経験値が功を奏した快挙だったのだろう。駆り出された捜索隊の多くは、悲劇的な結果を想定して、側溝や川などを捜していたのかもしれない。150人体制とも言われる捜索隊が、3日間捜して見つからなかったのに、ボランティアで単独での捜索を始めた尾畠さんは捜し始めて20分かそこらで幼児を発見しているのだ。
障害者雇用の水増し問題は、中央省庁が形だけの数値目標達成にこだわり、障害者雇用促進法が障害者の社会参加を促すために制定された経緯を軽視していた実態を浮き彫りにした。障害者雇用を進める企業や障害者団体からは、制度運用の見直しを求める声が上がる。自身も障害者で、障害者を積極的に雇用する福祉機器販売のアビリティーズ・ケアネット(東京)の伊東弘泰会長(76)=写真、内山田正夫撮影=に聞いた。 (城島建治、妹尾聡太) 「信じられない。あってはならないことだ。法律が制定された当時、障害者は差別され、就職できない時代だった。法律は障害者の働く権利を守るためにつくられた。社会参加を促し、障害者と健常者が共に生きる共生社会を実現するのが目標ともいえるが、中央省庁はそれを踏みにじった」
山口県長門市にある県立劇場「ルネッサながと」での二兎社公演のため、前日に長門市に乗り込んだ。バスのドライバーさんが「警察官が多いと思ったら、安倍晋三首相が泊まってるんですよね」と言う。常宿(じょうやど)が私たちの泊まる旅館のすぐそばだったのだ。「散歩がてら職務質問でもされに行こうか」などと冗談を言っていたが、恒例の墓参りに自民党総裁選の運動を兼ねて帰省していたのだとか。 本来「連続2期6年」だった党則を改変して、2期目の人物が総裁でいる時に「3期9年」にのばすというあからさまな行為によって、現職のボスは、ノリに乗っている。3期目の半ばには「4期12年」に変更しようとするのではと、背筋が凍る想像をしている。
夏休みに考える「ホームレス」への差別や暴力のこと世間はお盆休みです。この時期はまとまったお休みをとれる人も多いことでしょう。 家族と一緒に時間を過ごしたり、ご実家に帰ったり、はたまた帰省してきたお子さんやお孫さんとのんびりされる方もいると思います。 今日は、そんな夏休みにこそ、みなさんと考えたい、「ホームレス」というテーマについて、そして、彼らを取り巻く差別や暴力の問題についてみていきたいと思います。 ■野宿の人の約4割が経験している暴力被害今から4年前、都内の支援団体等の協力により、全国で初であろう「野宿者への襲撃の実態に関する調査」をおこないました。 これは、野宿をしている人が暴力を受けたり、ケガをしてしまったりという事件が起こるなかで、その被害の内容、加害者の実態を明らかにするためのもので、都内で野宿をしている347名へアンケートをしました。 この調査からは、 ・40%の人が襲撃を受
学会で相手にされない陰謀論 そんなに資料はない本能寺の変 太平洋戦争での奇襲多用につながってしまった「歴史の物語化」 「本能寺の変」や「関ケ原の戦い」などを巡り、世にはびこる様々な陰謀論や俗説を、専門家の視点から“ガチ検証”した『陰謀の日本中世史』(角川新書)が11万部のベストセラーになっている。著者で日本史学者の呉座勇一さんは「歴史『を』ではなく、歴史『に』学ぶのは危険」と訴えます。「『物語』が欲しいなら、ワンピースやスラムダンクを読んで」とも。呉座さんが恐れる歴史の学び方とは?(朝日新聞文化くらし報道部記者・高久潤) 学会で相手にされない陰謀論 ――武士が政治の表舞台に出てくる保元の乱を皮切りに、織田信長が死去する本能寺の変、そして関ケ原の戦いと、誰もが聞いたことがある中世の歴史を「陰謀」という切り口で考えたのはなぜですか 「本能寺の変に黒幕がいた、坂本龍馬暗殺に黒幕がいた、といった『
「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」。おぞましい一文だと思う。 この文章が、自民党の衆議院議員が大手出版社の月刊誌に寄稿したものだというのだから驚く。 人の命に「生産性」という言葉が使われていることに強い違和感をおぼえる。子どもは生産物=生活に役立つ品物ではない。 政…
警察国家と化す日本 7月27日の朝日新聞で、国内外の情報を収集・分析する内閣情報調査室が、石破茂氏の発言を非公開のものも含めて収集していることが報じられています。安倍政権は警察を使い、政権に批判的な政治家や言論人などの言動を監視しています。まさに警察国家と言っていいでしょう。 ここでは弊誌2017年8月号に掲載した、ジャーナリストの青木理氏のインタビューを紹介します。全文は下記のリンク先よりご覧ください。▼ 警察の権限を拡大する安倍政権 ―― 安倍政権を支えてきた組織の一つに警察があります。彼らが政治に対してもっと中立的であれば、安倍政権が5年も続くことはなかったはずです。青木さんは『日本の公安警察』(講談社)で公安警察の実態を明らかにしていますが、なぜ彼らは政治的な動きをするようになったのですか。 青木 公安警察という存在自体、そもそも政治的な色彩の強い思想警察なわけですが、戦後の公安警
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