量子コンピュータの可能性に世界中が注目している。 そんななか、光を使った独自の量子コンピュータで、 世界を変えようとしている日本人研究者がいた。 「0と1の重ね合わせ」を用いた 新しい計算原理のコンピュータ 世界で注目を集める革新的テクノロジーの中でも異彩を放つ存在なのが「量子コンピュータ」だ。最先端のスーパーコンピュータで何万年もかかる計算を数分で解いてしまった――。そんな記事を目にするたび、とんでもないことが研究現場で起こっている気配を感じる。 その証拠にアメリカ、中国、ヨーロッパなど各国では、数千億円規模の研究資金を投じて量子コンピュータの研究を進めているほか、Google、IBM、Microsoftなど巨大IT企業もそれぞれ独自の量子コンピュータを開発している。もちろん日本の企業や大学でも量子コンピュータの研究開発は進められている。」 「コンピュータの進歩は、国の産業や安全保障を支
量子コンピュータとは、原子や電子、分子といったミクロな粒子の状態や挙動を説明する理論である量子力学の特徴を巧みに利用して動作するコンピュータです。量子コンピュータは、従来のトランジスタ・コンピュータでは計算に膨大な時間がかかっていた問題を早く解ける特徴を活かし、高機能材料や薬品などの物質探索やシミュレーション、機械学習などへの活用が期待されています。本連載では、沖縄科学技術大学院大学(OIST)で行われている量子コンピュータの研究開発に注目します。今回は、超伝導方式の量子コンピュータの周辺ハードウェア技術の研究開発を行うOISTの久保結丸(くぼ ゆいまる)氏に、量子コンピュータの種類や原理、仕組みについてご解説頂きました。 量子コンピュータが注目された背景は、1990年代に証明されたNP問題をP問題に落とし込めるというショアのアルゴリズム 久保結丸(くぼ・ゆいまる) 2004年、筑波大学卒
こんにんちは、次世代システム研究室のT.I.です。 前回のBlogでは、現在実用化されている量子コンピュータ(NISQデバイス)の機械学習への応用を紹介しました。今回も引き続き量子コンピュータの話題として、量子計算に基づいた自然言語処理(参考文献 [1-5]) について解説したいと思います。 TL;DR 最近、量子コンピュータを用いた自然言語処理の実証実験がCambridge Quantum Computing (CQC) によってなされました。 この量子自然言語処理のモデル(DisCoCat)では、文章を単語のネットワークに書き換えて、それを量子回路に変換し実行します。その出力結果を文章の真偽として、教師データを元に量子回路のパラメータを学習させます。その結果、簡単な推論タスク(ex. Alice is rich. & Alice loves Bob. ⇒ Is Alice who lo
現在のコンピュータよりはるかに強力な計算能力を持つ量子コンピュータ。少しずつ実用化に向けて研究開発が進んでおり、興味を持ち始めている方もいるのではないでしょうか。今回はその種類や仕組み、将来どのように使われるのかを解説した『絵で見てわかる量子コンピューターの仕組み』より、量子コンピュータの基礎知識を紹介します。 本記事は『絵で見てわかる量子コンピューターの仕組み』の「第1章 量子コンピュータ入門」を抜粋したものです。掲載にあたり、一部を編集しています。 1.1 量子コンピュータって何? 量子コンピュータは、これまでのコンピュータとは異なる新しい計算機です。最初に、量子コンピュータがどのような計算機なのかその位置付けを説明します。 計算とは何か? 計算とはなんでしょう? 小学1年生の頃、算数を習い始めたときのことを思い出してください。1から9までの数字を習い、足したり引いたり掛けたり割ったり
量子とは、粒子と波の性質をあわせ持った、とても小さな物質やエネルギーの単位のことです。物質を形作っている原子そのものや、原子を形作っているさらに小さな電子・中性子・陽子といったものが代表選手です。光を粒子としてみたときの光子やニュートリノやクォーク、ミュオンなどといった素粒子も量子に含まれます。 量子の世界は、原子や分子といったナノサイズ(1メートルの10億分の1)あるいはそれよりも小さな世界です。このような極めて小さな世界では、私たちの身の回りにある物理法則(ニュートン力学や電磁気学)は通用せず、「量子力学」というとても不思議な法則に従っています。 また近年は、そんな不思議な量子特有の性質を、コンピュータやセンサー、通信技術等に活用する「量子技術」も急速に発展しています。 図:身の回りの物質はとても小さい量子が集まって形作られている(画像提供:高エネルギー加速器研究機構) >>次のページ
量子アニーリングマシンの活用を広げる入力データ変換手法を開発 発表のポイント イジングマシンには入力できるデータの「桁数」制限というハードウェア上の課題があった 計算結果出力データの正しさを保証しつつ、入力データ変換時の桁数の削減手法を開発した これまでにない桁数のデータ計算が可能となり、組合せ最適化問題の活用幅拡張が期待される 早稲田大学大学院基幹理工学研究科博士後期課程3年の於久 太祐(おく だいすけ)氏(現学術振興会特別研究員(PD))、同大理工学術院講師の多和田 雅師(たわだ まさし)氏(現同大グリーン・コンピューティング・システム研究機構研究院講師)、同大グリーン・コンピューティング・システム研究機構研究院准教授の田中 宗(たなか しゅう)氏(現慶應義塾大学理工学部准教授 兼 早稲田大学グリーン・コンピューティング・システム研究機構研究院客員准教授)、同大理工学術院教授の戸川 望
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