ラジオ放送局の苦境が続いている。景気低迷で広告費が減る中、音楽をダウンロードできるインターネットの普及により若者のラジオ離れが進行。これが一段の広告費の減少を招いているためだ。名古屋市では外国語放送のFM局が九月末で放送を停止し総務省に免許を返納する見通し。神戸市では別のFM局が経営破綻(はたん)し、十月一日に他局へ事業を譲渡する。 (上田融) 今月で放送を停止するのは愛知国際放送(名古屋市)。二〇〇五年の愛・地球博(愛知万博)開催を前に地域の国際化に対応しようと二〇〇〇年に外国語主体の放送を開始した。しかし業績は振るわず、一〇年三月期に二億一千七百万円の純損失を計上。累積赤字は二十八億円に達した。