1960年代以降の表現をたどる 前回の記事では、世紀転換期におけるレズビアンをはじめとするバイセクシュアルやパンセクシュアルといった女性同性愛の表象を描いた作家たちを紹介してきた。 マリー・ローランサンとロメイン・ブルックスによるセクシュアリティの表現、アンリ・トゥールーズ=ロートレックやジャンヌ・マメンによるレズビアン・カルチャーの表象、ゲルダ・ヴィーグナーのエロティカに見えるレズビアンと視線の問題。 それらの表現と課題は、プライド・マンスの出発点でもあるストーン・ウォール・イン反乱のあとに現れた作家による表現や、レズビアンやバイセクシュアル、パンセクシャルの人々の置かれる状況のなかにも現れている。 プロテストするレズビアンの美術【前編】世紀転換期の女性同性愛表象を読み返す美術史においてほとんど語られてこなかった、女性同性愛を描いた作品やレズビアンのアーティストたち。本稿ではその存在に光