文部科学省は2024年4月、国内の公立小中高校のアクセス回線の下り帯域について、学校の規模ごとに1校当たりの帯域の目安を示し、これらを満たすよう求めた。しかし、現状8割の学校がこの目安に未達だ。ネットワークの不備などで、使いたくても使えない学校も存在している。GIGAスクール構想に不可欠な通信インフラの格差は、子どもたちが学ぶ機会の格差になりかねない。 「端末つながる子の席に集まる」 「先生!つながらへん!」――。堺市のある小学校では、児童が端末を使う際にネット接続できない状況が慢性的に続く。大多数の児童が不満を訴えるのは日常茶飯事だ。 同市の小学校のある教員は語る。「今では子どもたちが臨機応変に、端末がつながる子の席に動いてくれる。しかしこれで、1人1台の端末の意味があるのか」。教室内でも場所によってうまく接続できる児童と接続できない児童がいる。 この学校では、米マイクロソフトのWind