「わかった! この部屋は……セックスしないと出られない部屋だ!」 「はあ? なにそれ?」 「この部屋に閉じ込められた人間は、セックスしないと部屋から出られないんだよ!」 「ふざけるな!」 17号室に閉じ込められた男女の会話が、私のいる監視室内にひびく。 会話の内容は、おおむね私にとって聞き飽きたものだった。どうして多くの人々は、セックスしないと出られない部屋に閉じ込められるとこんな風にパターンにはまった反応を示すのだろう。 私は手元のコンソールを操作し、17の部屋番号を入力し「室内放送C:肯定」のボタンを押した。 ――ソノトオリ、デス、オフタリニハ、コレカラ、セックスヲシテモライマス。ソウシタラ、ヘヤカラ、デラレ、マス―― 17号室に女性的な合成音声がひびく。 「ほら!」 「はあ? だからなんでセックスしないといけないわけ?」 やれやれ、わたしは「室内放送F:諦めをうながす」のボタンを押し
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