生産性が上がったアメリカ、下がった日本 2020年春、突然私たちの身に降りかかってきたコロナ禍は、あらためて共同体型組織の弱点をさらけ出した。その一つが新型コロナウィルスへの感染防止のため、いわば「緊急避難」的に導入されたテレワークである。 東京商工会議所が第一次緊急事態宣言後の2020年5月29日~6月5日に実施した調査によると、67.3%の企業がテレワークを導入しており、宣言前の3月の26.0%から大きく増加している。とくに従業員300人以上の企業では導入率が90.0%に達した。 ところが日本ではテレワークの導入によって、生産性が低下したという企業が少なくない。日米の労働者それぞれ約1000人を対象にしたある調査によると、アメリカでは回答者の77%が在宅勤務移行後もそれまでと同等またはそれ以上に生産性が上がったと答えているのに対し、日本では「在宅勤務は生産性が下がる」という回答が43%