ライバルである英製薬企業幹部のフランス人、クリストフ・ウェバー氏を新社長に据えた武田薬品工業。3月2日号特集「鎖国230年 開国1年 グローバルタケダの苦闘」では、主に社内外で広がった波紋と、ウェバー社長を始めとした外国人幹部たちの実力に焦点を当て、武田の今を描いた。 次々と外部の血を社内に注入する人事改革を主導したのが、強面の経済同友会代表幹事として知られる、前社長の長谷川閑史会長。グローバル化の波は日本企業のビジネスモデルと組織を変え、次は人にも変革を迫りつつある。大型新薬の相次ぐ特許切れなど、やむにやまれない事情があったにせよ、結果として、武田はこの「地殻変動」に主体的に向き合った最初の日本企業と言えるのではないだろうか。社内外の反発覚悟で思い切った変革の決断を下すに至った、“孤高のトップ”の本音に迫った。 (聞き手は林 英樹) 武田では、ウェバー氏の社長就任だけでなく、外部の外国人