今回、取材に応じてくれたのは、ストロベリーコーポレーションの常務取締役で主席研究員を務める久保田直基氏だ。 同社が最初に手がけたケータイ向けヒンジは、三菱電機製のフリップケータイ向けのもの。フリップ型端末は、折りたたみ型が主流になる前に流行った形状だ。ストレート型端末の小型化が進むと、端末を耳に当てたときに、マイクと口との距離が遠くなってしまう。実は、距離が遠くても通話する上で問題はないのだが、携帯電話が普及し始めた当時は、多くの人がそれに違和感を覚えていた。そこでフリップ型というアイデアが出てきたのである。 「フリップを開くとマイクが口に近づくので、利用者に安心感を与えられます。また、使っていないときにはダイヤルキーがフタで隠れるので、誤操作を防げるというメリットもありました」(久保田氏) ここで注目すべきは、メーカーからのリクエストだ。メーカー側は、ただフリップが開くのではなく、高い利