歴史というものは、常に勝者が作ってきたものである。勝てば官軍負ければ賊軍という言葉にある通り、戦いに勝った側が自身の正当性を主張するために、負けた側を貶めることがよくある。現在、日本で教えられている歴史も例外ではないのだろう。一般的には討幕を成し遂げ、明治政府を作り上げた薩長側から見た歴史(薩長史観)が学校では教えられている。 私もそのような歴史を習い、いままで何の疑問も持たずにそれを受け入れてきた。しかし歴史というものはもっと多角的な見方をしなくてはいけないものらしい。なぜなら見る側の視点によって、見えてくる世界が全く違ったものになるからだ。 少し話が脱線するが、「羅生門」という言葉がある。黒澤明の『羅生門』からきた言葉で、証言者によって意見が食い違う状況をいうそうだ。どうやら日本だけでなく世界で通じる言葉らしい。歴史というものもまさにその「羅生門」なんじゃないかとこの本を読んでいて思っ