「事前に示された時給と違う」「遅刻したら罰金をとられた」−−。こんな労働法規(ワークルール)に触れる違法なアルバイト「ブラックバイト」が横行している。被害に遭わないように、大学のゼミが実態を明らかにするアルバイト白書づくりに取り組んだり、学生自身が労働組合を結成したりする動きが出ている。北海道内での対策の最前線を追った。【千々部一好】 ◆問題は労働法無知 北海学園大経済学部の川村雅則准教授(労働経済)のゼミでは2011年度から毎年、アルバイト白書づくりに取り組んでいる。学生たちのバイトの実態に迫ろうと、同級生らに聞き取り調査を行い、情報を集めている。 ゼミでは2、3年生16人が調査結果や自らの経験を基に討論。「居酒屋のバイトで、ゆず酒とゆず梅酒の注文を間違えたら、代金を負担させられた」「電話でカニを売るバイトをしていたら、父親の知り合いからそこはブラック企業だと聞かされ、即刻辞めた」