(中)中露から狙われる「インフラ」…から続く 「セキュリティーの専従社員を置く余裕はないし、サイバー対策にもう1円も払いたくない」。大阪市淀川区の検査機器メーカー「日本細菌検査」社長、森基行(52)は浮かない表情だ。 憂鬱の原因は、マイクロソフトのパソコン用基本ソフト(OS)「ウィンドウズXP」。弱点を修正するプログラムの提供が終了したため、サイバー攻撃の危険が増すXPのOS更新費用は200万円に上った。社員約60人の小規模な同社にとっては手痛い出費。1カ月分の経常利益が吹き飛び、7月賞与を削減せざるを得なかった。実感できない“攻撃” これ以上、セキュリティー対策に金を使いたくない-。そう思ってしまう理由がもう一つある。 サイバー空間では攻撃側が絶対優位となる。防御する側は攻撃を受けたことすら気付かず、仮に攻撃を把握しても盗まれた情報はほぼ分からない。サイバー攻撃は不気味だが、脅威を確かな