「理念も哲学もない」 『大阪・関西万博「失敗」の本質』(ちくま新書)の編者を務めた、ノンフィクションライターの松本創(はじむ)さん(55)は、間近に迫った2025年大阪・関西万博をこう切って捨てる。「どんな社会にしたいのか、テーマに関わる『未来社会のデザイン』がどんなものかが全然語られていない。万博誘致の過程をたどれば、そもそも空洞だと分かりますよ」 インタビュー前後編の後編です 前編・大阪・関西万博は「失敗」 ライターたちが開幕前にあえて断じる理由 維新ブレーン・堺屋太一の野望 そもそも大阪が万博の誘致に名乗りを上げたきっかけは、地域政党・大阪維新の会幹部だった橋下徹・大阪市長、松井一郎・大阪府知事、維新行政のブレーンを担った作家の堺屋太一(1935~19年)の3人によるすし屋での会話とされる。 松井氏の著書などによれば時は13年、2度目の東京オリンピック開催が決まった直後だった。堺屋は
