■そんなタイミングで古泉智浩『チェリーボーイズ』...みんなはもう忘れたことにしたいのかもしれないが、誰にでも童貞(あるいは処女)をわずらう時期というのがあったはずだ このところ、仕事上のなんだかんだに私生活でのあれやこれやが重なるなかで風邪をひくという、まさに泣きっ面に蜂のような毎日を送っている。日々を生きていると、どうしたって回避不可能な事態が目の前に立ちはだかったりするもので、それを自意識のなかで上手いこと処理していくのが大人なんだろうとは思うけれど、分かっているからといってそうそう簡単に割り切れるものではない。ぼんやりとした無力感。 こんなときは、とにかく運勢の風向きが変わるのをじーっと待つしかないのかなと思う。そんなタイミングで古泉智浩『チェリーボーイズ』(青林工芸舎)を読んだものだから、中学生ぐらいのときに感じていたあのとてつもなく巨大な無力感がストリーミングされてきて、まるで