“少女性”をめぐる問題は、男性で問題になることはほとんどなかった。“少女性”なんだから当たり前だと思われるかもしれないが、ここで僕がいう“少女性”というのは、実のところ女性に限った話ではない。 セクシャリティから切り離された子ども時代から、自分が性的な存在であることを受け入れた大人になるまでの、セクシャルでありながらセクシャルでない状態を僕は“少女性”と呼んでいる。自己認識としてはまだセクシャリティを受け入れきっていないが、身体的にはすでにセクシャルな対象として他者から視線を投げられる、そういう状態だ。 それは男性でも起こりうるのだが、一般的に男の場合は性的な対象として晒されるよりも、セクシャルな視線の主体となることが圧倒的に多いためか、このモチーフは主に女性、少女をめぐる問題だったというわけだ。 少女マンガはかつて、そういう少女をめぐる問題をしばしばテーマとして扱っていたが、最近ではすっ