2015年の日本社会学会大会シンポジウムのテーマ「戦争をめぐる社会学の可能性」をベースに、第一線の社会学者たちが、これまで社会学が正面から向き合ってこなかった「戦争」と社会学理論や現代社会・文化との関連などについて掘り下げて分析する。 序 戦争をめぐる社会学の可能性[関礼子] 1.社会学はいかに戦争と向き合うか 2.プログラムに書かれなかった「わたしの戦争体験――ピカドンが襲いかかった日」 3.「わたしの戦争体験」が語らう「終わりなき戦争」 4.社会学が戦争を主題化することの意味 5.越境、表現、継承をめぐる社会学的応答 第1章 戦争と社会学理論――ホモ・ベリクス(Homo bellicus)の発見[荻野昌弘] 1.社会学における戦争の不在 2.戦争が生み出す社会変動 第2章 大衆社会論の記述と「全体」の戦争――総力戦の歴史的・社会的位格[野上元] 1.はじめに――社会学における集合性の観
