5月は「世界フェアトレード月間」。消費を通じて途上国の人たちを支援するフェアトレード(公正貿易)は日本でも広がってきたが、ここにも世界不況の波が及んでいる。月間中にインドから関係者が来日し、生産地の様子や日本の消費者へのメッセージを語った。【藤田祐子】 ◇受注減でも高い意欲 交流会で支援者に成果伝え インド南端のタミルナド州で活動するNGO「アシシ・ガーメンツ」。日本など16カ国の35団体向けにオーガニックコットン(有機栽培綿)製品を製作、販売し、障害者や貧しい女性たちに仕事と住まいを保障してきた。 96年にミシン10台で始め、最近まで305台がフル稼働していた。「それが今は半分しか動いていません。年末から受注が減り始め、昨年同期の2割減です」と、代表のシスター・ビニータ・フランシスさん(47)は語気を強める。作業所がある繊維産業地帯では、一般の工場が次々と閉鎖に追い込まれ、町はゴーストタ