富裕層を相手に売られたAT1債 今年は、千葉銀行、ちばぎん証券などの販売体制に金融庁のメスが入るなど「仕組債」が話題になったが、さらに一般の人にも知れわたった金融商品に「AT1債」がある。 前編『今年‟紙くず”となった「ヤバい金融商品(AT1債)」…富裕層が激怒した「証券会社の‟違法性”」のヤバすぎる手口』で紹介したとおり、3月、折からの経営難に苛まれてきた世界屈指のレジェンド金融機関クレディ・スイスをUBSグループ(以下、UBS)が電撃買収したが、その裏で販売総額160億ドル(1ドル140円換算で約2.3兆円)のAT1債が、紙くずとなった。当初、日本への影響は限定的という話だったが、様子が変わるまでに時間はかからなかった。