投資の世界でよく耳にする「地政学」。その要素をふんだんに取り入れた漫画が『紛争でしたら八田まで』(モーニングで連載中)です。 主人公の八田百合は“地政学リスクコンサルタント”として、世界各地で起こる問題をその土地の歴史や文化、宗教や民族といった視点から解決していきます。作者の田素弘さんに、この作品が誕生した経緯や、自身が心がけているニュースの見方について聞いてみました。 田舎で起きる不良の抗争から「地政学」を学ぶ ――本作品では、各国で起きるさまざまなトラブルに主人公が立ち向かいます。たとえばミャンマーでは、日系企業とその現地工場スタッフの対立、最新刊(16巻)のスウェーデン編では、住宅団地で起きているクルド人をはじめとした移民との問題がテーマになっていますよね。そもそもなぜ、このような漫画のアイデアが生まれたのでしょう。 田 最初から私が「こういう作品を描きたい」と思っていたわけではない