今年は2019年2月に亡くなった日本文学者、ドナルド・キーンさんの生誕100年に当たる。各地で企画展やイベントが続いており、日本の魅力を世界に伝えた偉業に改めて注目が集まっている。 キーンさんは1922年6月18日、米ニューヨークで生まれた。地元のコロンビア大学在学中だった18歳の時に英訳の「源氏物語」と出合い、日本文学に魅了された。同大学教授として学生に日本文学を教える傍ら、三島由紀夫や川端康成などの作家との交流を続け、日本の情報を世界へ英語で発信してきた。1年の半分ずつを、日米を行き来しながら過ごす生活は半世紀以上に及んだ。戦後最大の知日派の学者と呼んでいいだろう。