あらゆる表現への価値の付け方には二種類ある。一つが、どこかの層への人気を基準に価値づけるとする経済的なもの。もう一つが「本質」と名付けたものを基準に価値づける芸術的なもの。前者にはある程度決まった分かりやすい基準がある。だから、幾分考えやすい。しかし、後者を考えるのはいつだって難しい。「本質」を紐解くには、歴史を参照したり、自分の奥深くへ問いかけたり、人間の本能を暴いたりする必要がある。それは心労の意味でも、単純作業量な意味でも、大変な作業だ。しかし、それが本質を探るというものである。 歴史、自分、人間の本能、この3つが「本質」の中身を表すことのできる言葉であると考えているのだが、さて今回は、その本質を暴くための3つの言葉を使い、そこに音楽という補助線をひくことで、「お笑い」に隠れた「意味の開放」というものを導き出したい思っている。 では、まずは補助線から。 音楽。音を使った表現、芸術。歴