同じくクレムリンとつながりのあるもう1人が、民族主義者であるセルゲイツェフ氏だ。彼の論文が2022年4月、波紋を広げた。それは、ウクライナ国民に対する攻撃を是認する内容だったからだ。「ウクライナ最上層部とは別に、国民のかなりの部分はナチ政権を支持したという点で同じく罪がある。彼らへの正当な罰は正当な戦争の不可避の義務である」。 この論文の発表は、ブチャなど各地でのロシア軍による住民虐殺が明るみに出たタイミングと重なる。プーチン氏の直接の指示があったかどうかは別にしても、クレムリン内でこのような住民処罰論が侵攻当初から出ていた可能性も示すものだ。 プーチンが住民虐殺を容認する国家観 いずれにしてもプーチン氏を含めたこの3人の言説の背後で共通して見え隠れするのは、ウクライナをあくまで地政学上の版図拡大の対象としか見ていないことだ。プーチン氏がウクライナ国民を親ナチ政権の虐殺から守ると言いながら
世界の正教会ではロシア正教会最高指導者モスクワ総主教キリル1世にロシア軍のウクライナ戦争に反対する声明を求める声が益々高まってきた。ワルシャワのポーランド正教会サワ府主教は先週末、キリル1世に書簡を送り、「ロシア軍のウクライナ戦争を中止するように声を上げてほしい。聖王子ウラジミールの同じ洗礼盤の子孫である2つのスラブ正教会の国がフラトリサイド戦争(兄弟戦争)を行っていることは理解できない。あなたの権威の力を知っているので、あなたが声を挙げれば多くの人々は耳を傾けると信じる」と書かれている。 ▲ロシア軍の攻撃を受けて破壊されたハリコフ(ウクライナ北東部)の学校(バチカンニュース2022年3月20日から、写真はイタリアのANSA通信) キリル1世はこれまで沈黙してきた。同1世は、「ウクライナに対するロシアの戦争は西洋の悪に対する善の形而上学的闘争だ」と主張し、プーチン大統領と思想的に一致してい
アイテム 1 の 3 ロシア正教会のキリル総主教が、ロシアによるウクライナ侵攻に高らかな祝福を与えたことで、世界中の正教会は分裂の危機に陥り、専門家から見ても前代未聞の反乱が正教会内部で生じている。写真はプーチン大統領(左)とキリル総主教。2020年2月、モスクワで撮影。提供写真(2022年 ロイター/Sputnik/Alexei Druzhinin/Kremlin) [1/3] ロシア正教会のキリル総主教が、ロシアによるウクライナ侵攻に高らかな祝福を与えたことで、世界中の正教会は分裂の危機に陥り、専門家から見ても前代未聞の反乱が正教会内部で生じている。写真はプーチン大統領(左)とキリル総主教。2020年2月、モスクワで撮影。提供写真(2022年 ロイター/Sputnik/Alexei Druzhinin/Kremlin) [バチカン市 14日 ロイター] - ロシア正教会のキリル総主教
19世紀になると、しかしこの状態はまったく逆になってしまった。拡大する西欧、イギリス、フランスのもとで、ヨーロッパは衰退するオスマン帝国の領土をつぎつぎと奪ってゆく。その始まりがギリシャ独立運動だ。ここで、19世紀のヨーロッパから見た視点、すなわちオリエンタリズムが完成する。主客は転倒し、ビザンツ=オスマンから見る視点ではなく、西欧から見る視点が世界史の視点となる。 「進歩的な西欧、反動的なアジア」というイメージは、そこから生まれるのだ。それ以後、オスマン支配下にあったセルビアやボスニアは、後れたアジア地域のヨーロッパになる。オスマントルコといえば、その領域はペルシャとともにウクライナの南の黒海地域、そしてグルジア、アゼルバイジャン地域へ広がっていた。 だから、すでに紹介した小説の主人公アリは、教師からアゼルバイジャンは反動的アジアに入るのか、それとも進んだ西欧に入るのかと問われたのである
東京都内の教会に、いま多くのウクライナの人々が集まって祈りをささげています。 司祭を務める男性は、かつて祖父母をソビエト当局に処刑されました。両親はナチス・ドイツによってウクライナから連れ去られ、戦後アメリカに逃げのびました。 ウクライナの苦難の歴史に翻弄され、遠く日本へたどり着いた男性。ロシアの軍事侵攻が始まったことを知り、人目もはばからず嗚咽しました。 「ウクライナから手を引け!」 ロシア軍の侵攻が始まる直前の先月23日、東京のロシア大使館前では抗議集会が開かれていました。 集まったのは青と黄色のウクライナ国旗を掲げた在日ウクライナ人およそ30人。 ロシアの不当性と国際社会の支援をメディア関係者に口々に訴えました。 ちょうど同じ時、300メートルほど離れた教会で一人の司祭が祈りをささげていました。 日本でただ1人のウクライナ正教会の司祭、ポール・コロルークさんです。 抗議集会に集まった
5日、ウクライナ正教会の独立を認める文書に署名するコンスタンチノープル総主教バルソロメオス1世=トルコ・イスタンブール(AP=共同) 【モスクワ共同】キリスト教東方正教会の最高権威とされるコンスタンチノープル総主教庁(トルコ・イスタンブール)の総主教バルソロメオス1世は5日、ロシア正教会の管轄下にあったウクライナ正教会を独立させることを最終的に決定、文書に署名した。タス通信などが伝えた。 これで昨春から続いていたウクライナ正教会のロシアからの「分離独立」問題は決着。14年のロシアによるウクライナ南部クリミア半島の編入以降、悪化した両国の関係は教会の分断にまで至った。ウクライナ国内では、ロシア正教会の教会や修道院などをウクライナ正教会が接収する動きが出ており、信徒らの対立が懸念される。
昨今,ウクライナ正教会独立問題が話題となっていますが,なかなか日本語の良い解説がないので,私なりにこの問題をまとめて紹介したいと思います。 8月31日から9月4日までコンスタンティノープル(イスタンブール)において,正教会主教会議(シノド)という重要な会議が行われましたが,そこでバルトロメオ一世・コンスタンティノープル正教会総主教は,ウクライナに2人のコンスタンティノープル総主教代理(エクザルフ)を派遣する重要な決定(トモス)を行いました。これは,ウクライナ正教会の独立に向けた大きな進展であります。現在,ウクライナにおいて正教会は,大きくいうとモスクワ系とキエフ系に分かれていますが,これを統一して独立した正教会を作りたいという動きは,1991年のウクライナ独立の時からありました。 歴史を遡ってみますと,988年に当時のキエフを支配していたウラジーミル大公がビザンチンから派遣された司祭によっ
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