【ローマ藤原章生】ギリシャ国会による緊縮策可決に先立ち、アテネ中心街で12日、若者を中心とする黒覆面団が警察と衝突し、映画館や銀行、商店など少なくとも10軒に放火した。放火は、警察官による少年銃撃死をきっかけに起きた08年12月の暴動以来の規模。 アテネからの報道によると、デモ参加者は10万人に達したという。国会議事堂前の広場では火炎瓶や催涙弾が飛び交い、衝突で警察官50人を含む少なくとも105人がけがをした。 パパデモス首相は12日、国会で「民主主義国家に暴力、破壊行動の居場所はない」と国民に平静を呼びかけた。また、「緊縮策が通らなければ国は大破局となり、ユーロ圏を出なければならない」と国会議員に対して緊縮策への支持を訴えた。 地元紙の世論調査などによると、国民の7割が緊縮策に反対しながらも、7割が「第2次支援は必要」と答えている。国民は緊縮策に盛り込まれた最低賃金の引き下げや雇用