血糖値の速やかな回復が行われた後に原因疾患の鑑別を行う。低血糖症の原因には糖尿病治療薬に伴う低血糖のほか、インスリノーマ、反応性低血糖、薬剤性低血糖(複数の医療機関からの処方、相互作用、アルコール)、二次性低血糖(副腎不全、肝硬変、腎不全、先天性酵素異常など)、インスリンに対する抗体によるもの(インスリン自己免疫症候群など)、外因性インスリンによる低血糖(詐病、虚偽性障害を含める)、膵外性腫瘍などがあげられる。 低血糖症が疑われたらまずは薬剤性低血糖症の鑑別が必要となる。まずは糖尿病治療薬の副作用を疑う。糖尿病治療薬以外に低血糖を起こし得る薬物は多彩であり、降圧薬、利尿薬、NSAIDsや睡眠薬、向精神薬、抗不整脈薬、消化性潰瘍治療薬、抗菌薬、抗ヒスタミン薬、全身麻酔薬、気管支拡張薬、抗がん薬、血管拡張薬、抗てんかん薬、子宮用薬、パーキンソン病治療薬、抗血栓薬などがあげられる。単剤ではリスク