脳内の「不安の源」と言える場所が、思考をつかさどる前頭葉にある前帯状皮質の前部(pACC)にあることを、米マサチューセッツ工科大の雨森賢一研究員(神経生理学)らのチームが突き止めた。PTSD(心的外傷後ストレス障害)やうつ病などさまざまなタイプの「不安障害」のメカニズム解明や治療法確立につながる可能性がある。8日付の米科学誌ネイチャーニューロサイエンス(電子版)に掲載された。 人の研究では、不安を強く感じる人は「不快な刺激」を過大評価するため、うつ病患者は「報酬」を過小評価するために、いずれも不快な刺激を拒否する割合が高いことが分かっている。 サルを使って実験した。体に空気を吹き付ける「不快な刺激」と、「報酬」にあたるえさの組み合わせの量や質を変え、受け入れるかどうかの意思決定をさせることで、サルがどのように不安を感じているかを調べた。 その結果、不快な刺激と報酬のセットを受け入れる時も拒