4月8日に他界したサッチャー元イギリス首相をモリッシーは痛烈に振り返っている。 ニュース・サイトのデイリー・ビーストにモリッシーは公開書簡という形で寄稿し、サッチャー女史の「行動はすべてがネガティヴィティに駆られたものだった」と評し、「野蛮で」「人間性など分子ひとつ分も持ち合わせていない歩く恐怖」だったと次のように綴っている。 「サッチャーが今も鉄の女と振り返られているのはどうしてかというと、その決して屈しない頑迷さや他人に耳を絶対に貸さないというまったくもってネガティヴな気質を持っていたからに過ぎません。 サッチャーの行動はすべてがネガティヴィティに駆られたものでした。サッチャーはイギリスの製造業を破壊し、炭鉱労働者を忌み嫌い、芸術を敵視し、北アイルランドの独立擁護派を憎悪しては死なせ、イギリスの貧民を蔑視してなんの救済の手立ても考えず、グリーンピースや環境保護活動家を嫌い、ヨーロッパの
日本の近代化、そして戦後復興を支えた石炭産業の遺産は九州北部と北海道を中心に全国に点在している。福岡県志免町教育委員会で学芸員を務める筆者は1998年から2010年にかけ、北海道から西表島(沖縄県)まで各地の石炭産業遺産を訪ね歩き、その成果を本書にまとめた。 取り上げられた90カ所の遺産は炭鉱跡にとどまらず、1910年築の筑豊石炭鉱業組合直方会議所(現・直方市石炭記念館)、石炭で財をなした麻生太右衛門と伊藤伝右衛門の邸宅、石炭輸送の拠点となった折尾駅など幅広い。解説に添えられた写真も多く、石炭産業の裾野の広がりを感じることができる。巻末の遺産一覧には、住所や連絡先、見学の可否も記載されており、遺産見学の手引としても使えそうだ。 産業史の中で大きな役割を果たした石炭だが、厳しい労働、悲惨な坑内事故など、マイナスイメージとして語られることが少なくない。筆者は石炭がもたらした豊かさとともに、こう
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