国税庁の新人職員は「脱税は殺人と同じくらい重い罪」と教え込まれる。「国家の根幹」を揺るがす犯罪だからだ。とはいえ、税金は安ければ安いほど嬉しいのも事実。一線を越えない節税の方法は—。 国税は見せしめで逮捕する 「確定申告が始まるタイミングで逮捕したのは、国税庁から国民へのメッセージなんです。『国税は脱税をちゃんと見抜いてるよ。脱税したら大変な目に遭うよ』というね」(国税庁OBで税理士の赤池三男氏) 確定申告がスタートする直前の2月15日、経営コンサルタントの本多弘樹容疑者(34歳)が所得税法違反で逮捕された。コンサルの名のもとに、顧客のサラリーマン数十人に脱税指南をしていた容疑だ。 手口は単純で、サラリーマンに架空の副業で赤字が出たように申告させ、それによって正規の所得を圧縮し、すでに納めた所得税を還付させるというもの。容疑者はこの方法を「コンサル」することで、顧客一人から年額7万~8万円