東京都で相次ぎ発覚した妊婦の救急受け入れ拒否問題で、都内の産科救急施設の救急ベッドの恒常的な満床原因に、埼玉、千葉、神奈川県といった周辺自治体から患者が流入している実態があることが分かった。自治体ごとに産科救急施設の整備状況に大きな差があり、都心への流入が起きているとみられる。医療関係者らは、都県の枠を超えた仕組み作りの必要性を指摘している。 問題になっている受け入れ拒否のケースで、病院側は「医師が別の出産に対応している」ことや「NICU(新生児集中治療室)が満床になっている」ことなどを理由にしていた。 NICUなど高度な医療設備を持つ総合周産期母子医療センターは東京都の9施設に対し、神奈川県4、千葉県2、埼玉県1。東京では136万人当たりに1施設なのに対し、神奈川県218万人、千葉県302万人、埼玉県704万人とばらつきがあった。 埼玉県唯一のセンターである埼玉医科大総合周産期母子