大震災は日本が世界に誇る製造業のサプライチェーンを破壊した。サプライチェーンとは、完成品が製造されるまでに必要な部品や材料の製造・加工などの分業体制のこと。 自動車産業の場合、3万点以上の構成部品から1台の完成車が製造されるまでに大中小の自動車部品・材料メーカーが多層にわたる分業を行う。中には、多数の高品質部品や世界最高の技術水準を持つ部品が含まれ、世界の自動車メーカーに供給される。 地震・津波・原発の複合的な被害により、数千社規模の自動車関係メーカーが被害を受け、サプライチェーンが破壊・分断された。機械加工部品、電子制御部品や専用半導体、化学材料分野の被害が大きく、影響は世界に及んだ。 その結果、日本全国で自動車生産が一時的にストップし、生産再開後も稼働率が上がらない状態である。海外生産への影響は、輸送中の在庫がなくなるこれから深刻化する。 被害を受けた企業による復旧努力が続いて