このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 ドイツのMax Planck Institute for Astrophysicsなどに所属する国際チームが発表した論文「Euclid: A complete Einstein ring in NGC 6505」は、欧州宇宙機関(ESA)のユークリッド宇宙望遠鏡が、地球から最も近い場所でアインシュタインリングを発見し研究報告である。 ユークリッド宇宙望遠鏡とは、ESAが主導する宇宙望遠鏡で、重力レンズ効果と銀河分布の観測から、宇宙の暗黒物質と暗黒エネルギーの性質を解明することを主目的としている。 アインシュタインリングは、重力レンズ効果によって、遠方の
